THE GAME ザ・ゲーム
◆THE GAME ザ・ゲーム
評価:普通
点数:45点
ネタバレあり
製作年:2017年
製作国:アメリカ
★あらすじ
出口のない館に集められた4人の男女に襲い掛かる“死のゲーム”を描くソリッドシチュエーション・スリラー。強制参加の死のゲームで与えられた時間は60分。間違った選択をすれば死んでしまうゲームに挑む4人の、生き残りを賭けた戦いが始まる。
★一言感想
原題は「ESCAPE ROOM」
邦題、他の作品と被るありがちなものなので、原題そのままでもよかったのではないでしょうか。
まず申し上げなければなりませんが、本作は、例によって例の如く、パッケージ詐欺であります。奥にいる怪人は、本編に登場する怪人とは体格からして全然違い、手前に鎮座ましましている檻にいたっては、本編では影も形もありません。もうこうなると隅っこに“※写真はイメージです”とか書かれているお菓子みたいですね。
宣伝文句も少し間違っておりまして『巨大な密室、鎖に繋がれた殺人鬼、解かなければ殺される』と書いてありますが、舞台は巨大な密室ではなく、凡そ六畳くらいのコンクリ打ちっぱなしの部屋です。巨大な密室とは一体……。
物語は1887年のアラビアから始まります。砂漠を旅する二人の男が、曰くつきと思われる箱を土中に埋めた後、誰にもその場所を知られないように自決します。無駄に壮大なオープニングでありますね。こういうの、結構好きです。
時は流れて、現代。例の箱は、ある骨董品店に置かれていました。
落ち目のリアル脱出ゲーム「ディレンジド」の主催者が、脱出ゲームに使う小道具を物色している内、その箱に目をつけます。骨董品店の店主によれば、箱の名前はスカルボックス。中に悪魔が封じられた、洒落にならない危険な品物だそうです。しかし、箱の魔力だかなんだかに囚われてしまった主催者は、店主の警告を無視して強引にスカルボックスを購入、脱出ゲームを盛り上げる小道具として採用します。
正直、このスカルボックス、大金をはたいてまで買うものじゃない気がするのですが、これがなければ話が始まらないので仕方ありますまい。
そして、開かれるリアル脱出ゲーム。ホラーフリークとその仲間たち、合計四人が、お客としてやってきます。ゲームの内容は、鎖で繋がれた殺人鬼が自由になるまでの一時間以内に、謎を解いて室内から脱出せよ!というもの。
脱出ゲームとくれば、当然、部屋を隅から隅まで物色する事になるわけでして……悪魔が封じられているスカルボックスも謎解きの過程で、あっけなく開けられます。箱から漏れ出るのは、怪しげな黒い煙。鎖で繋がれた殺人鬼役の役者は、スカルボックスの瘴気にあてられて正気を失ってしまい、本物の殺人鬼と化して、参加者たちに襲いかかるのでした。
死の脱出ゲームに巻き込まれた四人は勿論、殺人鬼役の役者も被害者ですね。よくわからない内に悪魔に乗っ取られた上に、最後は現場に踏み込んできた警察官に射殺。真相を知るのは、ゲームの主催者とアシスタントだけです。世間では「殺人鬼を演じる内に自分が殺人鬼に」などと、あることないこと言われるのでありましょう。うーむ、不憫。
夢中になるほど面白くはないですが、退屈するほどつまらないわけでもなく。ぼんやり見ていたらいつの間にかエンドロールだったという、良くも悪くもB級な作品であります。気張らず、肩の力を抜いて鑑賞するのがよろしいでしょう。