ぼんやり考察してみよう

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シャーロック・ホームズ

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シャーロック・ホームズ

評価:名作

点数:50点

ネタバレなし

製作年:2009年
製作国:アメリ

★あらすじ
コナン・ドイル原作の人気キャラクター、名探偵シャーロック・ホームズをロバート・ダウニー・Jr主演で映画化したアクション・エンタテインメント。類い希な推理力で難事件に挑むホームズの姿を、武闘派というこれまでにないキャラクター造型とコミカルな味付けでテンポ良く描き出していく。共演にジュード・ロウ。監督は「スナッチ」のガイ・リッチー。19世紀末のロンドン。ホームズの活躍で、巷を震撼させていた連続殺人事件がみごと解決した。邪悪な黒魔術を操り、若い女性たちを毒牙に掛けてきた犯人ブラックウッド卿は死刑に処せられる。ところがほどなく、彼が復活したとの噂が広まり、再び調査に乗り出すホームズとワトソンだったが……。

★一言感想
原題は邦題と一緒であります。

大男とも互角に渡り合う格闘術、人物を的確に見抜く洞察力、別人に成りすましてしまう変装術……シャーロック・ホームズの魅力をぎゅっと詰め込んだ濃厚な二時間となっております。変装術などは、作中で同じ役者が演じるからこそ、言外の説得力があったりいたしますね。

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ホームズのパートナー、Dr.ワトソンは勿論、お馴染みレストレード警部にハドソン夫人、名探偵コナンでは「彼女はそんな事言わない」と殺人の動機にまでなったアイリーン・アドラーも登場。裏で事件を操る黒幕にはモリアーティ教授、と、ホームズフリークでなくても一度は名前を聞いた事がある豪華な面子がホームズワールドを彩ってくれます。

尚、本作のストーリーは原作には存在しない完全オリジナル・エピソードなので、もし原作を読みつくしていても、鑑賞する前から「ああ、この物語は原作の何々がベースで、犯人は誰々……」なんてネタバレもなしなのは嬉しいところであります。

ラ・ラ・ランド』などもそうですが、よい映画というものはまず、カメラワークがよいのですよね。本作も例外ではなく、ワンカットワンカットの構図が美しく、見る者の心を捉えます。ホームズにぴったりのBGMと共に馬車が疾駆するオープニングシーンからタイトルコールまでの一連の描写は、否が応でもテンションを高めてくれます。

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本作のホームズとワトソンは若干武闘派でありまして、原作におけるホームズのイメージと同じかと言われればNOなのですが、ホームズが奇矯な実験に傾倒していたり、ワトソンが射撃の名手だったり、原作を語る上で欠かせない設定は作中に自然な形で盛り込まれており、ホームズの名を冠するにあたっての違和感はありません。

アクションとミステリーという、一見すると相反する二つの要素の融合にも見事に成功しており、互いが互いを引き立て合っております。アクションのおかげで映像としても見栄えがよく、ミステリーのおかげで物語としても引き込まれる。その絶妙な互恵関係は、まるで劇中のホームズとワトソンのよう。そのため、二時間という長尺にも関わらず、中弛み無く鑑賞する事ができます。

ホームズ・ファンならずとも楽しめる上質のエンターテイメントに仕上がっておりまして、老若男女問わず、幅広い層にお勧めできる逸品であります。