ぼんやり考察してみよう

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SHOCKER ショッカー

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◆SHOCKER ショッカー

評価:普通

点数:45点

ネタバレあり

製作年:2007年 製作国:カナダ

★あらすじ
世界各国の映画祭で観客を震え上がらせた殺人鬼“シード”の恐怖を描いたスリラー。
電気椅子に掛けられても死なない殺人鬼のシードは、自分を陥れた者たちを次々と惨殺していくが……。
監督は『アローン・イン・ザ・ダーク』の鬼才、ウーヴェ・ボル

★一言感想
原題は「SEED」
種、という意味ではなく、本作に登場する殺人犯の名前がシードなのですね。
頭に被った汚れた袋がトレードマークで、見た目としては『鬼畜の森 ゴアマスク・ファーマー』の殺人農夫に似ております。

物語は、シードが孤島の処刑場に連れて来られる場面から始まります。
そこから過去の回想が入り、シードの隠れ家に警察が踏み込み、犠牲者を出しながらもシードの身柄を確保するまでが描かれます。

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回想は終わり、現在へ。
シードは旧式の電気椅子で処刑となりますが、何分旧式の椅子なので殺傷力に欠け、シードは2度の電気ショックを受けて尚、生存。州法によれば、電気ショックを3度受けて生きていた場合、無罪放免になるそうで(無論、現実にはそのような規則はありません)3度目の電気ショックも生き延びたらまずい、と危機感を覚えた看守たちは、気絶したシードを死亡した事にして、木製の棺桶に詰めて生き埋めにします。

トドメを刺されなかったシードは、墓穴から這い出て、唯一神もびっくりの復活を遂げ、看守たちを殺害します。そのまま、海を泳いで孤島から脱出、本土に向かいます。フィジカルが強いとかそういうレベルじゃあないですね……殺人犯になるより、その驚異の能力を活用して、オリンピアンにでもなってほしいものです。

本土に戻ったシードは、公式には死亡扱いになっており、生存が明らかになれば警察の不祥事になるので、表立っての捜査が出来ません。手をこまねいている警察を横目に、シードは再び殺人を繰り返すのでした……。

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※こんな不審な格好で住宅街を闊歩しているのに、一向に捕まらないシード


何だか、構成がごちゃっとしていてわかりにくいです。
シード逮捕からシード処刑までは、時系列通りに描写した方がよかったと思います。 また、シードの隠れ家で警察がシードと対決する場面では、画面全体がやたら暗く、何をしているやらよくわかりません。

ちなみにこの作品、のっけから動物虐待があったり、おばさんが金槌で頭コンコン叩かれたりしますので、残酷描写が苦手な方は閲覧注意、と言いますか、精神衛生上、見ない方がよろしいかと思います……。

怖い! 痛い! やめたげてよお! と、視聴しながらそんな感覚に襲われるのは、ある意味正しいホラーの形とも言えるでしょうが、過激な描写がすぎる上『ミスト』『ダンサー・イン・ザ・ダーク』『ジョニーは戦場へ行った』と並ぶくらい後味も苦いため、見る人を選びそうです。
面白いかどうかは別として、ホラー映画上級者向け、と言えるでしょう。

この手の殺人鬼映画の例に漏れず、彼にも殺人を犯す動機はありません。たまには意外な動機が明らかになる、ホワイダニットに力を入れた作品があってもいいのにな、と思ったりするのでした。