ぼんやり考察してみよう

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スキン・コレクター

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◆スキン・コレクター

評価:微妙

点数:10点

ネタバレあり

製作年:2016年
製作国:ドイツ/カナダ

★あらすじ
皮膚の奇病に悩まされていた美女が、美しい肌を求めて連続殺人を犯していくスリラー。 ピアニストのキラは、全身の皮膚が剥がれる奇病に悩まされていた。ある日、病院を受診したキラは、同世代の女性の皮膚を移植すれば再生することに気付き……。

★一言感想
原題は「REPLACE」

いつの間にか、最近の記憶が失われており、よくわからない幻覚が見える。
それだけでも十分大ごとなのですが、更に追い打ちをかけるように、手から始まり、全身の表皮がぽろぽろと剥がれ落ちてしまう……そんな受難に見舞われた、キラの物語です。

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※キラと聞くと、夜神月が頭に浮かびます

本作なのですが、導入部分が非常に不親切です。開始から30分くらい、意味がよくわからない上に全く面白くありません。序盤で見る気を失う人が続出するのではないでしょうか。では、序盤を耐えれば面白いかと言えばそうでもなく、最後まで低空飛行なので、眠くなってしまいます。物語のプロット自体はそこまで悪いものではないのですが、説明不足な脚本、鬱陶しい演出が全てを台無しにしております。

脚本、演出が揃ってずっこける中、音楽は一生懸命頑張っています。頑張ったせいで、逆に音楽だけが浮いているのが物悲しいです。なんというのでしょうか、白けた空気が漂う合コンで、気まずい雰囲気に耐えかねたムードメーカーが、座を盛り上げようと一人で奮闘するのですが、それが余計に白けた空気を強調する結果になってしまうような……。

何が主題で、何を見せたいのかがまるで伝わってこないのも、本作の欠点です。
キラの美への執着を見せるにしては、剥がれ落ちる皮膚に対するキラの心情の描写はなく、何を考えているのかわかりません。皮膚を求めて殺人鬼と化したキラの暴走を見せるにしては、要らない場面ばかりで、殺人はおまけに近いです。キラとソフィアの性別を超えた愛を見せるにしては、惹かれ合う描写がなく、ソフィアがキラの何処を好きになったのかわかりません。

例えるなら、やる気のないトライアスロン。あれやこれやと盛り込む割に、何もかもが中途半端で終わります。とても退屈な作品でしたので、お勧めはいたしかねます。