ぼんやり考察してみよう

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ダーク・フェアリー

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ダーク・フェアリー

評価:普通

点数:80点

ネタバレあり

製作年:2011年
製作国:アメリカ/オーストラリア/メキシコ

★あらすじ
アメリカ、ロードアイランド州
両親の離婚で心に傷を負った小学校低学年の女の子サリー。
建築家の父アレックス・ハーストは、恋人のキムと修復作業に当たっていた郊外の古い屋敷にサリーを呼び寄せ、気分転換にとそこで一緒に暮らすことにするのだが……。

★一言感想
原題は「DON'T BE AFRAID OF THE DARK」
来日する時期が遅ければ、もしかしたら『ドント・〇〇』シリーズの一員になっていたかもしれませんね。

本作には、原型となったTVM『地下室の魔物』があるらしいのですが、そちらは未見であります。ジャンルとしてはホラーの括りになっておりますが、ファンタジーの色が濃いと思いました。

とにかく、全編通して、雰囲気がいいです。ここまで雰囲気作りが上手い作品もなかなかないのではないでしょうか。サリーが屋敷の裏手の庭を散策する場面などは、不気味で、それでいて神秘的で、御伽噺の世界のようですね。舞台となる屋敷はもとより、装飾品等の小道具一つ取っても、並々ならぬこだわりが感じられます。

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※くまさん

登場する妖精は、子供の骨と歯が大好物。抜けた乳歯をコインと交換してくれる『トゥース・フェアリー』が元ネタとなっているのでありましょう。その気味の悪い造形は、フェアリー(妖精)よりはゴブリン(小鬼)に近いです。

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※こんな妖精は嫌です

子供が未知なる存在に狙われる物語のお約束として、大人はサリーの主張を真に受けてはくれません。元々お絵かきが好きで空想癖のある子が「妖精が襲ってくる」なんて言っても、すぐには信じられませんよね。離婚による急激な環境変化で生じたストレスを処理しきれず、妄想や虚言の症状が出ているのだろう……とするのがある意味、常識的解釈です。

とは言え、作中では妖精は現実に存在しており、サリーにとっては命がかかっております。思春期少年よろしく、大人はわかってくれない、と拗ねてばかりもいられません。妖精の光を苦手とする性質を利用して、ポラロイドカメラで身を守ると同時に、妖精の写真を撮ろうとしたり、懐中電灯の裏側で力任せに妖精を叩き潰したり、サリーは幼いながらも、なんとか抗おうとするのでした。

最後は果たしてどうなるのか、朧げに想像しながら鑑賞しておりましたが、予想の斜め上を行く結末で、少々吃驚いたしました。あまり関係のない人に流れ弾が当たってしまったと言いますか、ええー、そうなるの、と思わずにはいられません。