ディープ・サンクタム
◆ディープ・サンクタム
評価:良作
点数:20点
ネタバレなし
製作年:2013年 製作国:スペイン
★あらすじ
秘境の島を訪れた男女5人が、偶然見つけた洞窟の中へ。だが出口を見失ったことから彼らは極限状態に陥り、殺し合いに発展してしまう。 息の詰まるような閉塞感を表現した恐怖のパニック・スリラー。
★一言感想
まず最初に断っておかなければなりませぬが、この映画はPOV作品であります。
あの「ブレアウィッチプロジェクト」のヒット以降、二匹目、三匹目のドジョウを狙い、雨後の筍のように大量発生して、一大ジャンルとなったPOVムービー。低予算で製作可能で、参入の敷居が低いことから、粗製乱造の運びとなったわけです。しかし、ほとんどが見てがっかりの地雷作品なのは言うまでもなく、そのせいで、POV作品自体に良い印象を持たない人も多いかと思います。
かくいう私もPOV作品に対する期待度は低く、おまけに画面酔いしやすい性質なので、主観で激しい動きのある映画は苦手です。 オープニング、5人組が観光地で騒いだり遊んだりする映像を見ただけで『うわ、POVだ……これは期待できそうもない』と思ってしまいました。
ところがどうして、この作品、見てみれば意外と面白いのです。本編の大半は、ずーっと暗い洞窟の中なのですが、脚本、演出が優秀であり、思ったより退屈しません。カメラの持ち主と一緒に、ハラハラドキドキしたり、ビクッとしたり……底の知れない洞窟の恐怖を存分に共有することができました。 ワンシチュエーションスリラーらしく、上映時間が短く、コンパクトにまとまっているのも良いです。
些事ながら、飲料水がない場合、飢えより先に渇きに耐えかねると思いますので、とにかく食料が足りない! となるのはどうなのでしょう、少々違和感がありました。 何故そこまでしてカメラを回し続ける? というPOVのお約束とも言える疑問については、一応作中で説明がありますし、突っ込むのは野暮というものでしょう。