ぼんやり考察してみよう

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ドント・ブリーズ

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ドント・ブリーズ

評価:良作

点数:40点

ネタバレあり

製作年:2016年 製作国:アメリカ

★あらすじ

ティーンエイジャーのロッキーは生活能力が全くない両親のもとから幼い妹を連れて逃げるための逃走資金を必要としていた。 そんな時、恋人のマニーから、地下室に大金を隠しているとの噂される盲目の老人宅へ友人のアレックスと3人で強盗に入る計画を持ちかけられる。 真夜中にそこへ忍び込み、孤独な盲目の老人から大金を手に入れるのはいとも簡単なはずだったが……。 そこにいたのは目は見えないが、どんな“音"も聞き逃さない超人的な聴覚を持つ老人……そして想像を絶する異常者だった。

★一言感想

ドント・ブリーズ、略してドンブリ(略すな 原題は邦題と一緒であります。

イラク戦争で視力を失った退役軍人のおじいさん、コソ泥三人衆に金庫を狙われて、家中荒らし回られてかわいそう……と思ったら、このおじいさん、なかなかの曲者であり、サイコパスなんですねー。 娘を殺した女を地下室に監禁して、俺の娘を奪ったのだから俺の子を産め! という変態理論で強制人工授精をしていた模様。ですが、コソ泥一行を始末しようとして撃った銃弾で、彼女はお腹の赤ちゃんもろとも死亡してしまいます。 これに激怒したじいさんは、不幸中の幸いとばかり、コソ泥一行の紅一点に目をつけて、新たな母体に仕立て上げようとします。 拘束したヒロインを吊し上げながら「レイプはしない」と 得意顔で語るじじいですが、精液したたるスポイト片手に迫ってくるその様子は、ある意味素直にレイプするより生理的嫌悪感を掻き立てますぞ。 地味に、精液をスポイトで吸い出す場面で陰毛が映っているのも気持ち悪い……スタッフのこだわりに脱帽です、うええ……。

そう言えば「ビッグフット UMA確認」に登場したビッグフットも、男は即刻殺す! 女は繁殖のためにお持ち帰り! とか、そんな設定でしたね。 ああ、思い出したくない映画を思い出してしまいました……ともかく、ビッグフットと化した変態じじいに襲われるヒロインでしたが、すんでのところで、コソ泥仲間アレックスが変態サイコじじいに不意打ちを喰らわせて、彼女の貞操は守られます。とりあえずはよかったですね。

家主の老人は、最初「コソ泥に入られたかわいそうなおじいさん」だったのが、いつの間にか「ビッグフット風味の変態サイコじじい」になっておりました。初めから不気味に描かれているとはいえ、序盤と終盤で、印象がかなり変わりますね。 コソ泥は最初から最後までコソ泥なのですが、老人の狂気が明らかになるに従い、どちらも応援できなくなるのが本作の面白いところ。エイリアン VS アバターの如く『勝手に戦え!』と言いたくなります。

本作は幸いなことに良作でありますが、Z級映画ライクに、投げ遣りな邦題をつけるなら「コソ泥 VS 変態サイコじじい」

蓋を開けてみればお互い様だった、といったところでしょうか。