ドール・フェイス
◆ドール・フェイス
評価:微妙
点数:30点
ネタバレあり
製作年:2014年
製作国:アメリカ
★あらすじ
血に飢えた人形が人々に襲い掛かるスラッシャーホラー。都市伝説のフィールドワークで、歴史学部の学生グループがある廃屋を訪れた。そこは殺人を繰り返したドーチェスター少年が住んでいたといわれる場所だったが……。
★一言感想
原題は「DORCHESTER'S REVENGE」
あらすじには『血に飢えた人形が人々に襲い掛かる』と書かれておりますが、正確には『人形の被り物をした殺人者が人々に襲い掛かる』です。かの『チャイルド・プレイ』ですとか『アナベル 死霊館の人形』などとは、まるで趣を異にする作品ですので、勘違いなさいませぬよう。
以前も書いた記憶がありますが、何人も殺されているのに、誰も殺人鬼に気付かないまま物語が進行するのは、つまらないスラッシャー・ホラーのお約束です。本作もその例に漏れず、一時間半ほどの作品でありながら、一時間を過ぎるくらいまで目立った動きはありません。一人、また一人と消えていく恐怖に怯える被害者たち、個性あふれる殺人鬼との息詰まる攻防……などなど、スラッシャー作品における面白い部分を尽くスポイルしてしまうので、気付かないまま各個撃破、は本当に止めて欲しいものです。
終盤、殺人現場であるドーチェスター・ハウス跡地にドーナー先生が駆けつける場面があるのですが、そこでヒロインが、ドーナー先生が犯人――クリノリン・ヘッドなのではないかと疑います。本来なら盛り上がるところなのでしょうが、犯人であるクリノリン・ヘッドのマスクは半分割れており、作中で何度か素顔を晒しているので、文字通り面が割れております。なので、視聴者視点では「いや先生は犯人じゃないよ……」となってしまい、せっかくのミスリーディングが機能しておりません。勿体ないことです。
最後はクリノリン・ヘッドが、『コマンドー』のベネットみたいな死に方をして終了……と思いきや、理不尽にも即時復活。銃で撃たれても立ち上がってきた時は、防弾チョッキ装備か、くらいに思っておりましたが、刺突武器が貫通して何事もない様子を見るに、理由は定かではありませんが不死身のようです。なんでやねん。ちなみにこのクリノリン・ヘッド、幼少時代と現在とで、白人から黒人にフォームチェンジしております。なんでやねん!
余談になりますが、本作の日本版予告編には物語を追っていればすぐに気付くレベルの事実誤認がありまして、予告編の製作者ですら本編を真面目に見ていないのがわかって切ないです。まあ実際、真面目に見るような作品でもないのですが。