ぼんやり考察してみよう

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フェンス

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◆フェンス

評価:微妙

点数:65点

ネタバレなし

製作年:2016年 製作国:アメリカ

★あらすじ

1950年代、ピッツバーグ。 妻や息子と暮らすトロイ・マクソンは、過去の経験から人種差別に深い憎しみを持っていた。 ある時、息子のコリーが大学のアメフトチームにスカウトされ……。

★一言感想

原題は「FENCES」 複数形なのがポイント。

デンゼル・ワシントンをはじめとした、出演者たちの繊細な演技は一見の価値がありますし、作品内で扱っている社会、家族の有り様といった問題も深く、重たい。本作を「微妙」評価で切って捨てるのは心苦しくもあるのですが、私の評価基準は『面白く、続きが気になり退屈しない』なので、ご容赦くださいませ。 作品としての出来はともかく、どう考えても「見ていて面白い!」と思える映画ではないのですよね……。

まず、2時間overという長尺にも関わらず、最初から最後まで、トロイ一家を中心とした限られた登場人物の会話だけで物語が進むため、見ていて飽きてきます。おまけに舞台はトロイの家とその庭だけなので、絵的な変化もなく、非常に地味です。 それでは、会話の内容が面白いかと言えばそんなことはなく、家族の抱えた問題が浮き彫りになっていくばかりで、辛気臭く、退屈です。

はっきり言って、エンターテイメント性は無いに等しいです。 私はNHK連続テレビ小説のように、人物描写に主眼を置く物語を『何が面白いのか』と思ってしまう人間なので、ちょっと性に合いませんでした。 また、1950年当時のアメリカにおける黒人労働者の扱い等の諸問題に関しても、日本人には馴染みが薄く、最低限の予備知識がないと作中の描写が伝わりにくいところもあります。 予備知識以前に、序盤、10ドルを貸す、返すで押し問答をしているシーンでは、一瞬時代設定を失念して『えっ、10ドルだよ? 日本円にして1000円前後だよ?』と思ってしまったり。 そういった点も含め、本作は「観る人を選ぶ映画」と言えましょう。観る人により、評価の振れ幅も大きいと思います。

PS 点数については悩みましたが、流石に『ビキニ・キラー 真夏のくい込み殺人』より評価点数が低いと鑑賞眼が疑われると思いました(おい