ぼんやり考察してみよう

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侵入者 逃げ場のない家

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◆侵入者 逃げ場のない家

評価:名作

点数:10点

ネタバレなし

製作年:2015年 製作国:アメリカ

★あらすじ
アンナは”広場恐怖症”の為家の外に出られず、外部との接触は食材配達員のダンと世間話をするのみであった。
早くして父親を無くし、病気がちの兄と二人で静かな暮らしをしていたが、その兄を末期癌で亡くし悲しみに暮れダンに今後の身の上相談をしていた。
兄の葬儀の日、外出できないアンナは葬儀には参列せず家に籠もっていたが、突如3人の男が窓を破り侵入してくる。彼らは留守宅を狙ってきた空き巣であった。

★一言感想
逃げ場のない家♪(飯田のいい家のリズムで)

原題は「SHUT IN」です。

外出が辛いため、最愛の兄のお葬式にも出られない、引きこもり系女子のアンナ。
そんな彼女の自宅に、葬儀で留守だと思い込んだ強盗三人組が押し入ったものだから一大事、果たしてアンナの運命や如何に? といった物語であります。

何故アンナの自宅に強盗がやってきたかと言いますと、親しくなった食品配達員のダンに、現金の入った紙袋を見せていたからなんですね。
いくら親しい間柄にしても、現金を見せびらかすような真似をするのはよくないです。
ほとんど家から出た事のない、アンナの世間知らず具合が良く現れている描写でもあります。

私もかなりの引きこもり体質ですので、他人様の事はどうこう言えませんが、背後に複数の荒くれ者が迫っており、生命の危機でありながら、外に出られないで立ち尽くしてしまうアンナは、正に引きこもりの中の引きこもりと言えるでしょう。全国の引きこもり諸氏の家に強盗が入ったとして、九割九分、逃げられる状況なら外に逃げるのではないでしょうか。

正直なところ、序盤は「あんまり面白くない……」と思ったのですが、最初の犠牲者が出てから、物語は予想外の方向に舵を切り、俄然盛り上がりを見せます。
先の読めない展開が続くため、ハラハラドキドキしながら楽しく鑑賞できました。

印象に残っている場面はいくつかありますが、特に、弟をドアストッパーにしてしまう場面は、シュールかつブラックユーモアに溢れていて、お気に入りです。

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※本作屈指の名場面(個人の感想です)

意外なことに、本作、劇場未公開なのですね。
こんなに面白いのに、勿体ない限りです。