ぼんやり考察してみよう

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鬼畜の森 ゴアマスク・ファーマー

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◆鬼畜の森 ゴアマスク・ファーマー

評価:駄作

点数:60点

ネタバレあり

製作年:2014年 製作国:イギリス

★あらすじ
農夫姿の殺人鬼の恐怖を描いたホラー。
心霊スポット巡りが趣味の男女5人が人里離れた山中を訪れる。
そこは謎の幻聴を聞いた農夫が家族を斧で皆殺しにしたという、いわくつきの場所だった。一行がキャンプで一夜を明かすと、仲間の3人が姿を消し……。

★一言感想
原題は「THE REDWOOD MASSACRE」

ジャケットに写っている農夫姿の殺人鬼が、キャンプに訪れた人々を虐殺するスラッシャー・ホラーです。




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…………………………困りました、それ以外に語ることがありません。



とにかく本作、内容がないのですよね。
どうでもいい会話と、血みどろゴアシーンしかありません。
殺人鬼が大暴れするホラー映画なんて、大体がストーリーなどあってないようなものなのですが、それにしてもこれはちょっと、限度を超えているのではないでしょうか。

おまけに進行も遅くて、なんだかだらだらしています。
犠牲者であるキャンパーも、ヒロイン以外は、殺人鬼の存在に気付いた時には死亡、もしくは捕獲からの拷問で死亡してしまうので、見せ場は何もありません。
殺人鬼とキャンパーたちの息詰まる攻防戦が展開する……とか、恐怖に震えるキャンパーが一人また一人と姿を消す……とか、そういう演出があれば、まだ盛り上がったかもしれません。

結局、殺される、捕まえられる前に殺人農夫の存在に気付いたのはヒロインのみ。
他のキャンパーたちは、特に殺人農夫がそうなるよう仕組んだわけでもないのに、単独行動をして各個撃破で全滅、生き残りは彼女だけになってしまいました。

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※ズタ袋がトレードマークの殺人農夫


そこで唐突に、銃を持ったおじさんが登場。
殺人鬼から身を隠している最中のヒロインに、銃をつきつけます。

一体何者だ、このおじさん!? 殺人農夫の仲間なのか? と思いきや、おじさん曰く『娘がここから帰ってこなかった。数年ここを調べている』だそうで。ええー。

『友達を探すなら、あそこだ、奴はあの部屋を死体置き場にしている……』
得意げに語るおじさん。勝手知ったる他人の家、ならぬ、殺人鬼の隠れ家、であります。 いや、数年調べて証拠を掴んでいるなら警察に通報しましょうよ。大体、さっき意味もなくヒロインに銃口を向けないで、こちらに気付いていない殺人農夫の背中に銃を撃っていればよかったのです。それで映画はハッピーエンド、めでたしめでたしで終わります。

このおじさんは数年間、何をしていたのでしょう? 殺しを知りながら、通報もせず、銃を持ちながら、止めもせず、殺人農夫の殺戮を影ながら見守ってきたのですか? 娘の仇ですよ? もう意味がわかりません……。

その後もおじさんはさしたる必然性もなく、唯一の武器である銃を、ろくに扱えないだろうヒロインに渡して、殺人鬼と素手で相対した挙句、棒立ちになり『殺してみろ!』と叫んで、本当にあっけなく殺されてしまいます。

いやあ……いかにホラー映画でも、登場人物が明らかに論理破綻した行動を取るのはよくないです。製作陣は、何も疑問に思わなかったのでしょうか。

その後なんやかんやあり、殺人農夫とヒロインの最終決戦となりますが、ここでも、銃を持ったおじさんほどではないにせよ、強引過ぎる展開が目に付きました。

ゴアシーンを撮りたかった、ただそれだけで作られたのが手に取るようにわかる作品であります。映画としての面白味はないに等しく、鑑賞はお勧め致しません。