ぼんやり考察してみよう

日々考えたこと、映画感想、評価などを記しておくブログです。WPから移転しました。

HUNT/餌

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◆HUNT/餌

評価:良作

点数:55点

ネタバレあり

製作年:2017年
製作国:オランダ

★あらすじ
『小さな目撃者』のディック・マース監督によるパニックムービー。
アムステルダム郊外で牧場を営む家族の惨殺死体が発見される。相談を受けた動物園の獣医・リジーは死体の様子から、獰猛で攻撃的なライオンの仕業と特定するが、警察はそれを信じず……。

★一言感想
原題は「PREY」

オランダはアムステルダムを舞台に、どこからともなく出現したライオンが人々を襲撃する、アニマルパニックムービーであります。

本編が始まるなり、犠牲者が悲鳴と共に画面外に引きずられていくだけの襲撃シーンに嫌な予感が過ぎります。畳み掛けるように、どこからどう見てもソフトビニール人形のワニさんが登場しまして、浮気者のカメラマンデイヴとその彼女である獣医師リジーとの痴話喧嘩が始まります。このあたりで『あっ、これは駄目な映画では』と思ってしまったのですが、物語が進むに従い、第一印象は覆りました。B級アニマルパニックとしては、間違いなく良作であります。

パッケージ詐欺、なんて事はなく、パッケージに描かれた場面は本編に登場しますし、ライオンは一定のクオリティを保ちつつ、アムステルダム市街や近隣の公園を狩場に大暴れしてくれます。少し中弛みはありますが、次々とライオンによる襲撃事件が発生するので飽きる事はなく、ゴア描写も頑張っております。また、劇中に市の依頼を受けてライオンを仕留めようとする猛獣ハンターが二人登場するのですが、どちらもキャラが立っていて愉しいです。

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※強者の風格漂う一人目の猛獣ハンター

ジーの元恋人でもある二人目のハンター、ジャックは以前ライオンとの戦闘で片足を失った、電動車椅子を駆るハンターなのですね。電動車椅子と言いましても、乙武氏の乗るようなものではなく、戦車めいたキャタピラが付いた戦闘仕様で、ライオンと追いかけっこも出来る優れものです。なんだかもう、これだけでわくわくしますね! えっ……しない? そうですか。

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※戦闘仕様の車椅子

ジャックはライオンの襲撃現場でシャーロック・ホームズばりの洞察力を見せつけたり、リジーと今彼デイヴとの幸せを願ったり、飄々とした態度で鬼畜な作戦を提案したり……リジーが好きになるのもわかる、なかなかに魅力的な人物であります。見終えた後でよく考えたら、最終的にライオンを倒したのはリジーなんですが……まあ、そこは深くは考えますまい。

突っ込みどころも含めて、最後まで楽しく鑑賞できる、意外な掘り出し物でありました。