ぼんやり考察してみよう

日々考えたこと、映画感想、評価などを記しておくブログです。WPから移転しました。

アオラレ

f:id:unknownhuman:20220330011540j:plain:w211:h300

◆アオラレ

評価:良作

点数:75点

ネタバレなし

製作年:2020年
製作国:アメリ

★あらすじ
ラッセル・クロウが“最凶最悪”のあおり運転ドライバーを演じたアクションスリラー。美容師のレイチェルは朝寝坊し、息子を学校へ送り職場へ向かう途中、動かない車にイラつきクラクションを鳴らし追い越すが……。

★一言感想
原題は「UNHINGED」
成程、原題では“イカれたヤツ”みたいなニュアンスなのですねー。
しかしながらこの邦題は、煽り運転が社会問題として広く認知されている日本にはマッチしているように思います。

f:id:unknownhuman:20220330012623p:plain

煽り運転、ダメ、ゼッタイ。

というわけで、本作はついうっかりラッセル・クロウ演じる無敵の人を煽ってしまった結果、とんでもない目に遭ってしまう一人の女性の物語です。
現実にも、煽りが発端で発生してしまった悲惨な事件は枚挙に暇がありませんゆえ、煽り、ないしそう取れる言動などは厳に謹んでいこうと思う次第であります。

……はっ、真面目な事を書いてしまいました。
うーん、時々テレビで放映されたりする、交通トラブルで文句を言う為に車から降りてきて窓ガラスバンバン叩いたりする煽り勢は、ちょっとした事で本作の犯人のようになってしまうのではないか、と恐ろしくなります。アンガーマネジメントは大切ですぞ。

f:id:unknownhuman:20220330024158p:plain

本編は、スティーブン・スピルバーグ監督のデビュー作である「激突」に、些細な事からフラストレーションが爆発して収まりがつかなくなる「フォーリング・ダウン」を足して2で割ったような味わいでしょうか。車両の暴走と同時に、人間の暴走も描かれています。

それにしても、本作の市民と警察は全然仕事をしてくれませんな。
レストランで殺人が起きた時、丸腰の犯人を客が誰も咎めないのは、まぁ仕方がないところもあるとして、本来ならば警察は、レストランから車で逃げるあたりで犯人を逮捕できなければなりません。それなのにひたすら犯人を野放しにして、第二、第三の犯行を許してしまいます。正直あれだけ平和な街中で好き放題やったら、グランド・セフト・オートだってもっと早くに警察に捕まりますぜ。

どうにもこうにも、不甲斐ない人々ばかりが目立つ中、体を張ってまで犯人の車を止めてくれた見ず知らずのお兄さんには、その勇気を称え、筆者が勝手に敢闘賞を授与します。どうぞお受け取り下さいませ。