ぼんやり考察してみよう

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アクアスラッシュ

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◆アクアスラッシュ

評価:普通

点数:40点

ネタバレあり

製作年:2019年
製作国:カナダ

★あらすじ
大型ウォータースライダーで巻き起こる惨劇を描いたサスペンスホラー。卒業前の最後の週末を過ごすため、あるキャンプ地を訪れた高校生たち。過去に忌まわしい事件が起きたその場所には、どこか不気味な雰囲気が漂っていた。

★一言感想
原題は邦題と一緒であります。
アクアスラッシュ、略してアクスラ。
いや、別にそんなハクスラみたいな略をしなくてもよいのですが。

開始早々、夜の帳が降りたウォータースライダーの天辺でいちゃつきはじめるカップル。ついには、そのまま行為に及びます。
そこへそうっと忍び寄る、大振りの刃物を持った謎の影……当然のように不埒なカップルは襲われまして、ウォータースライダーの上から、彼氏の胴体、ついでに腕やら足やらが落っこちてきます。
ううむ、これぞB級ホラー、といったオープニング。

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夜が明けまして、洋画では毎度お馴染みのパーリーピーポーティーンズが、卒業パーティーのために水上公園に集まります。いかにも怪しげな古株管理人も交えながら、楽器演奏をしたり痴話喧嘩をしたり……露骨に、登場人物紹介の為のシーンが続きますね。
そして、人物紹介のノリのまま物語は進みまして、気がつけばラスト10分前になっていました。

本作、実を言えば、パッケージの写真が内容の全てとなっております。
こう、ウォータースライダーに刃物が仕込まれてたら怖いよね! という、ワンアイデアに依拠した、本当にそれだけの物語です。

とはいえ、ホラー映画、それもB級ともなればパッケージ詐欺の作品も数多く、パッケージと本編が別物である事も日常茶飯事。パッケージに描かれたギミックが、しっかり本編を盛り上げてくれる、それだけでも何だか嬉しい気持ちになってしまいます。

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そんな本作ではありますが、クライマックスのウォータースライダー阿鼻叫喚だけは一見の価値があるやもしれません。真紅に染まるプールを見つめながら、これがやりたかったんでしょうねー、としみじみ思うのでした。

しかし、トーマスだかトミーだかは、最初ろくでなしと思わせておいて、学生たちに恋人を寝取られたのに、スライダーの異常を察知、命を張ってウミヘビレースを止めようとするなんて素敵です。一人車中で、言い訳できない浮気をしたキムに謝る練習までしていましたし……いい人かよ。

ウォータースライダーの惨劇を見せるだけでは終わらず、犯人も、その動機も、一応は劇中で明らかになりますので、サスペンス好きの読者諸兄もご安心ください。
最初にいちゃついていたカップルが殺されたのにも、犯人なりの理由があったりする事がわかります。このあたり、意外と丁寧なのですね。

それでもあまり真剣に鑑賞しますと、なんとも言えぬ虚無感に苛まれそうですので、ポテトチップスでもつまみながら、ぼんやり見るのが正しい作品かと思います。