ぼんやり考察してみよう

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ウィンチェスター・ハウス アメリカで最も呪われた屋敷

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◆ウィンチェスター・ハウス アメリカで最も呪われた屋敷

評価:普通

点数:65点

ネタバレなし

製作年:2018年
製作国:オーストラリア/アメリ

★あらすじ
ヘレン・ミレン主演、幽霊屋敷“ウィンチェスター・ミステリーハウス”の歴史に隠された忌まわしき実話を描いたホラー。
娘、夫を突然の病気で次々と亡くした未亡人、サラ・ウィンチェスターは、ある理由で毎日24時間、妄信的に増改築を繰り返していた。

★一言感想
原題は「WINCHESTER」そのままでありますね。
実在する幽霊屋敷『ウィンチェスター・ミステリーハウス』を舞台にしたホラーです。

時代は1906年。銃によって命を落とした霊たちを鎮めるため、屋敷を増築し続けなければならない、という強迫観念に憑りつかれたサラ・ウィンチェスター。
彼女は妄執に囚われて正常な判断のできない異常者なのではないか? 株主としての資格はもはや持たないのではないか? 疑念を抱いたウィンチェスター社の要請により、お札を使ったマジックが得意な精神科医のエリックは、愛用のアヘンチンキを携え、彼女の精神鑑定を行うため、ウィンチェスター・ハウスに出向く事になるのでした。

スクラップ&ビルドを繰り返し、延々と終わりの見えない工事を続けるその様は、サグラダファミリアか、或いは横浜駅かと言ったところ。呪いなんて眉唾、と呑気に構えるエリックでしたが、自室でおぞましい亡霊の姿を見たり、姪の息子であるヘンリーがずた袋を被って屋上から身投げしたり、奇怪な出来事が立て続けに起こります。

いやしかし、他人を正気か狂気か判定する立場のエリックがアヘンチンキを常用するのは看過できません。実際、エリックは屋敷について以降、度々亡霊らしいものを目撃するのですが、彼自身、本当に亡霊なのかアヘンの影響なのか判断に迷っております。これでは亡霊も困惑してしまうというものでしょう。とはいえ19世紀のアヘンは、現代における副腎皮質ホルモン剤の如く万能薬扱いを受けておりますので、時代背景を鑑みれば、仕方のないところもあるでしょうか。

ウィンチェスター夫人を演じるヘレン・ミレンの存在感こそ抜群ですが、ホラー作品としては可もなく不可もなく、でありまして。静の恐怖よりは動の恐怖に偏っているのが良くも悪くもアメリカンホラーで、効果音がギャーン! ときて亡霊がバーン! という通り一遍の演出が多いです。ですが、エリックが自室で鏡を見る場面では不覚にも驚いてしまいました。いやだってこれ絶対椅子に誰か座ってるやつだ……と思いますものね。ええ。

本作一番のセールスポイントは矢張り、この奇怪なる異形の館も、サラ・ウィンチェスターも現実に存在する事でありましょう。曲がりくねったり、天井に続いたりする階段、ウィンチェスター・ライフルが集められた部屋など、現実のウィンチェスター・ハウスの意匠が作中でわかりやすく再現してあるのは製作陣のこだわりが感じられます。