ウーマン・イン・ブラック 亡霊の館
◆ウーマン・イン・ブラック 亡霊の館
評価:普通
点数:75点
ネタバレあり
製作年:2012年
製作国:イギリス/カナダ/スウェーデン
★あらすじ
「ハリー・ポッター」シリーズのダニエル・ラドクリフ主演で、イギリスの人気作家、スーザン・ヒルのゴシックホラー小説「黒衣の女 ある亡霊の物語」を映画化。遺産整理の仕事で片田舎の古い館を訪れた若い弁護士が怪現象に見舞われていく様を描く。
★一言感想
原題は邦題と一緒であります。
ハリー・ポッターと亡霊の館……なんて言いたくなってしまうキャスティングですね。
本作は19世紀のイギリスを舞台とした、王道を往くゴシック・ホラー作品です。
ダニエル・ラドクリフが演じますのは弁護士にして一児の父親、アーサー。彼の妻であるステラは出産と同時に亡くなっており、現在は息子のジョセフがただ一人の身内です。アーサーが仕事で留守にしている間は家政婦さんがジョセフの面倒を見てくれておりますが、やはりジョセフは寂しさを隠せない様子。
アーサーは事務所所長の指示で、イールマーシュの館で遺品整理の仕事をする事になります。ロンドンから汽車に乗りまして、一路イギリス郊外へ。後でジョセフも呼んで遊んであげよう、なんて暢気に構えるアーサーでしたが、不気味な雰囲気漂うイールマーシュの館にて、黒衣の亡霊と遭遇、数々の怪奇現象に襲われます。どうやらアーサーが目撃した黒衣の女は町民の間で実しやかに噂される不吉な存在らしく、更には宿泊先の町でも不可解な子供の死が……。
アーサーは弁護士としてはポンコツなのか、妻を失って以来抜け殻なのかはわかりませんが、人事評価は芳しくないようで、本件で成果を上げられなければクビ、と所長に言い渡されております。進退がかかっているせいで、逃げ帰るわけにもいきません。かくしてアーサーは、黒衣の女の怨念渦巻くイールマーシュの館で書類をまとめるべく奮闘する事になるのでした。
イールマーシュの館へと続く道は、干潮時のみ道が現れて、満潮時は道が海に沈んでしまい、出入りが出来なくなってしまう仕組みです。物語上、特に意味はないのですが、ヴィジュアルが鮮烈で、目を惹く舞台設定となっております。
館に散りばめられた恐怖演出は定番ながら、それでも要所要所で驚かせてくれまして、お化け屋敷に迷い込んだような気分が味わえます。お供のわんこがいなければ、もっと怖かったことでしょう。DVDでご覧になる際は、深夜、光量を若干落とした薄暗い部屋の中、ヘッドフォン装着で鑑賞するのをお勧めいたします。
最後は……うーん、観る方によって、解釈の分かれそうな結末ですね。救われないとも救われたとも、どちらとも取れる、苦味と甘味が入り混じった決着となっております。アーサーとジョセフは幸福になれたのかどうか、皆様はどのように感じられましたでしょうか。