エスケープ・ルーム デッド・オア・アライブ
◆エスケープ・ルーム デッド・オア・アライブ
評価:微妙
点数:35点
ネタバレあり
製作年:2017年
製作国:スペイン
★あらすじ
死の脱出ゲームが繰り広げられるソリッドシチュエーションスリラー。とある屋敷に集められた死刑囚たち。屋敷の謎を解き、40時間以内に鍵を見つけた者だけが自由を手に入れ、失敗した者には死が待っている。彼らを待っていた衝撃の結末とは……。
★一言感想
原題は「ESCAPE FROM MARWIN」
直訳すれば「マーウィン邸からの脱出」
各州の刑務所から集められた五人の囚人たちが、自由と生命を賭けてマーウィン邸からの脱出ゲームに挑む……という物語であります。刑務所で一番の悪を集めた設定のようですが、ベン、リナあたりはどう考えても刑務所で一番の悪とは思えないのはご愛敬。彼、彼女らが一番の悪なら、他の囚人は全員優等生でありましょう。
本作は、屋敷に仕掛けられた謎を解く脱出ゲームであると同時に、囚人同士のバトルロワイアルでもあります。ですが、脱出ゲームとしては謎解きらしい謎解きはなく、参加者は無節操に暴れたり支給品(?)のヤクをキメたりするばかり。バトルロワイアルとしては戦闘描写が淡泊で、トドメを刺すのを怠って背後からの逆襲を許すパターンが何度も繰り返されます。参加者は全員囚人、それも粗暴犯ですので、真面目に謎解きをしないのはある意味リアリティがあるのかもしれませんが、謎解きはなく、戦闘もグダグダとなれば、視聴者としては辛いものがあります。
生命を賭けた脱出ゲーム、囚人同士の殺し合い、過去の轢き逃げ事件に端を発する復讐劇……面白い要素は揃ってはいるのですが、結果としていずれにも焦点を絞り切れず、中途半端なまま取っ散らかってしまった印象を受けました。最後に、主催者から動機が語られる場面は少し盛り上がりを見せるのですが、すぐにエンドロールを迎えてしまいます。
余談ながら、鑑賞後も、リナが危険を冒してまで、身分を隠してゲームに潜入した理由がよくわかりませんでした。案の定、酷い目に逢ってしまっておりますからね。リナ曰く「狙われないように弱いフリをした」そうですが、展開によっては『弱いから真っ先に消しておこう』となる事だってあり得ます。また、すべての元凶である轢き逃げ事件については、深夜、道路の真ん中に子供を放置してしまった彼女にも一定の過失があるように思うのでした。
あらすじだけ聞くと楽しめそうなのに、中身は……ですので、お勧めはいたしかねます。