ぼんやり考察してみよう

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キラー・インフェルノ

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◆キラー・インフェルノ

評価:微妙

点数:40点

ネタバレなし

製作年:2016年 製作国:アメリカ

★あらすじ

最悪の偶然が巻き起こす予測不可能なシチュエーションスリラー。 ジェフとクリッシィはハネムーンの最中に車がパンクしてしまう。何もない田舎でふたりは1軒の家を訪ねる。 そこでクリッシィは住人のエメリーに惨殺された男の死体を発見するが……。

★一言感想

原題は「AMERICAN ROMANCE」

物語は、スターン保安官の自宅に「ジオラマ殺人事件」を調べている女性、フェイが訪ねてくるところから始まります。 スターンは彼女のインタビューに答える形で、事件を回想するのでありました……。

本作は、スターンの回想から物語が始まり、要所要所でスターンのインタビューが挟まってくる構成になっているのですが、このスターンのインタビュー、ぶっちゃけ鬱陶しいです。どのくらい鬱陶しいかというと、youtubeの動画途中で入る広告くらい鬱陶しい。完全にテンポを削いでいます。 おそらく、この映画を見た人の内、10人中8人くらいは『スターンのインタビューはいらない』と言うのではないでしょうか。 こんなだるいだけのパート、スターンとカットしちゃえば良かったのに(氷河期

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※薄暗い部屋でのインタビューなのも鬱陶しさに拍車をかける

『殺人犯 VS 殺人鬼カップル』というプロットは純粋にわくわくしますし、ジャケットの画像も面白そうだったため期待していたのですが、残念ながら本編は大幅に期待を下回る出来であり、ワンシチュエーションスリラーが大好きな私でも大分退屈してしまいました。

『殺人犯 VS 殺人鬼カップル』にしても、息詰まる駆け引きも、凄惨な殺し合いも何もなく、お互い、縛りあげて会話するだけですからね。 殺人犯が殺人鬼カップルを縛ってお喋りしてー、今度は逆転した殺人鬼カップルが殺人犯を縛ってお喋りしてー、と言った具合で、殺伐としているようで、意外とのんびりとした時間が流れていきます。そんな中、嫌がらせのように挟まるスターンのインタビュー。はぁ……。

ただ、ラストまで見終えて感じたのですが、本作は、過激な邦題とジャケットの惹句から期待するような、殺人鬼同士の怪獣大決戦を楽しむ作品ではないのですよね。 どちらかと言えば、殺人犯と遭遇する、というアクシデントを通して、壊れてしまった殺人鬼カップルのどうしようもない生き様を描写しているのだと思います。だからこそ原題が「AMERICAN ROMANCE」なのでしょう。 しかし、それじゃあ売れる見込みがないため、配給会社は邦題を別物に差し替え、どこか『SAW』を連想するようなジャケット画像を用意したわけであります。大人の事情と言うやつですね。

何にせよ、殺人鬼カップルの悲哀を描写するには半端でしたし、シチュエーションスリラーとしての魅力もないので、結果として捉えどころのない、誰得作品になってしまっていることは間違いありませぬ。 ラストにしても、無理矢理、ちょっといい話としてまとめようとしておりますが、元が連続殺人鬼でありサイコパスなので共感することもできませんぞ。 誰に、どのように楽しんでもらいたかったのかが伝わってこない、よくわからない作品でありました。