ぼんやり考察してみよう

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クロール 凶暴領域

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◆クロール 凶暴領域

評価:良作

点数:70点

ネタバレなし

製作年:2019年
製作国:アメリ

★あらすじ
ドント・ブリーズ』のサム・ライミが手掛けるモンスターパニック。競泳選手・ヘイリーの故郷が巨大ハリケーンに襲われる。実家の地下で父を見つけたヘイリーだったが、彼女も地下室に引きずり込まれ重傷を負う。そこには大量のワニがいた……。

★一言感想
原題は「CRAWL」
原題ままだと内容がわかりにくいため「狂暴領域」の副題がつけられた……のでしょうか。 「狂暴領域」の副題でわかりやすくなったかと言えばそうでもありませんが、狂暴な何かが出てくるのかな、くらいの予想はできますね。

あらすじまたはジャケットを見ればわかります通り、本作はハリケーンによるディザスター+ワニによるワニワニパニックが合体したディザスターパニック映画であります。

ハリケーンの脅威より、ハリケーンによって水場となった街中を泳ぎ回るワニの恐怖がメインとなっております。ハリケーンは副菜で、ワニが主菜、でありましょうか。

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ワニは序盤で姿を見せて、終盤までしっかり活躍してくれます。モンスター映画によくある、モンスターの出し惜しみは一切ないのが好感が持てますね。開始から50分を過ぎたあたりでようやく、何か気配がする、などと言い出す『イット・カムズ』にも見習ってほしいものです。

姿を見せて以降も、ワニは隙あらば襲い掛かりますので、気は抜けません。最後までハラハラドキドキしながら鑑賞できる、ジェットコースタームービーとなっております。

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良い作品ではあるのですが、一つ苦言を呈するならば、主人公補正があまりに露骨なので、そこは冷めてしまいます。ゲームで喩えますなら、主人公だけダメージ1/3のアーマーを着けているような感覚です。モブはワニの一撃であっけなく殺られてしまうのに、主人公ときたら足を噛まれても平然と立ち上がり、デスロールを喰らってもすぐに戦線復帰します。ここまで来るとダイ・ハード。ワニの咬合力は、一説にはティラノサウルス以上とも言われているのに、どれだけ頑丈なのでしょう。流石は頂点捕食者。

物語である以上、脚本の都合で動くのは仕方のない事なのですが、視聴者に違和感を覚えさせてはいけません。本作は少々やり過ぎであります。正直、メタ読みしてしまったら生還者が全員予想がついてしまうのですよね。

そのあたりの瑕疵も、迫りくる危機また危機を、過剰に演出した弊害、なのでしょう。ともかく、観客に楽しんでもらおう、という思いが詰まった作品である事は間違いありますまい。