ぼんやり考察してみよう

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ゲット・アウト

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ゲット・アウト

評価:良作

点数:80点

ネタバレあり

製作年:2017年 製作国:アメリ

★あらすじ
パラノーマル・アクティビティ」シリーズのジェイソン・ブラム製作によるサイコスリラー。アフリカ系アメリカ人のカメラマン・クリスは、白人の恋人・ローズの実家に招待される。黒人の使用人がいることに妙な違和感を覚えるクリスだったが……。

★一言感想
いきなりどうでもいい話題から入りますが、本作の序盤で、シカが車に轢かれます。
そう言えば、以前見た『エコー』や『インビジブル・ゲスト 悪魔の証明』でも、シカが撥ねられておりましたね……。

この映画一言感想、まだ100記事未満なのですが、その中で3つも、シカが車に轢かれる作品がある事に驚いてしまいます。シカが車に轢かれるって、そこまで被りやすい、よくあるエピソードでしたっけ……。今に『シカが車に轢かれる映画10選』とかいう誰得セレクションができそうなくらいです。

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※よく撥ねられますね。ご愁傷様です


閑話休題

正直な所、中盤くらいまでは“なんとなく不穏な雰囲気がする”だけで、何の盛り上がりもないので、眠くなってしまうのですが、後半、クリスがアーミテージ家の真実を知ったあたりから、俄然面白くなってまいります。

アーミテージ家の真実については、予想外の展開か? と言われたらそうでもないのですが、全てが明らかになると、前半~中盤の、違和感のある描写すべてに綺麗に説明がつくので、すっきりすると同時に、そういうことかー、と感心いたします。
ジャケットに大きく、アカデミー賞脚本賞! と書いてありますが、なるほど納得。 すごいどんでん返しや、派手な見せ場はないですが、とても丁寧な構成です。

催眠術が現実離れしていて超能力に近いとか、移植対象者を運び込む前に開頭手術するのはどうなのかとか、突っ込みどころは結構あるのですが、物語全体の整合性が保たれているせいか、そこまで気にはなりません。しかし、催眠術のトリガーになるティーカップとスプーンが必殺兵器みたいな扱いなのは流石に笑ってしまいます。

ラストシーンでのパトカー登場は、息ができない(I CAN’T BREATHE)の再現か? と身構えてしまいましたが、そうならなくてよかったです。

黒人差別という社会問題に触れながら、サスペンス、コメディ、SFなど、各ジャンルのエッセンスを詰め込み、わかりやすい、万人受けするエンターテイメントに昇華しているのは素晴らしいと思いました。良い作品であります。