ぼんやり考察してみよう

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スノーピアサー

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◆スノーピアサー

評価:良作

点数:60点

ネタバレあり

製作年:2013年 製作国:韓国/アメリカ/フランス

★あらすじ

2014年、温暖化を止めるために行った大規模実験が失敗し、地球は氷河期に突入、人類を含めほとんどの生物は死に絶える。 17年後の2031年、いまや走り続ける列車“スノーピアサー”の乗客たちだけが人類のすべてとなっていた。 やがて、後方車両に押し込められていた貧困層の反乱が勃発する。

★一言感想

原題は邦題と一緒であります。

凍り付いた世界を疾走する列車を舞台にした作品であります。 何故列車なのかは突っ込んではいけない 列車は何年も走り続けている設定らしいのですが、エンジンはともかくとして、インフラ(線路)のメンテはどうするのだろう……とか、つい考えてしまいます。

列車内では、先頭車両=富裕層 後方車両=貧困層 と身分に差がつけられており、現代における格差社会の縮図となっております。 貧困層にとってはディストピアのように描かれる列車内での生活ですが、冷静に考えたら、現実もそれほど変わらなかったりして、改めて現実の過酷を思い知ります。

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※逆らった人間にはきつーいお仕置き

人間扱いを受けない事に腹を立てた貧困層は、団結して革命を計画、先頭車両目指して邁進する……というのが物語の主軸なのですが、シリアス極まる場面で、魚を踏んで転んだり、何の脈絡もなく寿司屋が出てきたり、先頭車両付近にダンスフロアのようなセクションがあったり、どこまで狙っているのかはわかりませんが、所々、シュールで笑えます。

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※列車内では寿司は貴重な食品のようです

貧困層は大きな犠牲を払いながら、列車先頭部にたどり着くものの、最終ボスであるウィルフォード氏から、革命は人口調整のための出来レースでした!という衝撃の事実が告げられます。 うーん、何となくそんな気はしていました。平和は大切ですが、物資の限られた世界では、平和に仲良く暮らしていれば、全てが上手くいくわけではないのですよね。 設定に甘いところは多々ありますが、少しシニカルで、寓意の溢れる良作でした。