ぼんやり考察してみよう

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デンジャラス 見えない殺人鬼

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◆デンジャラス 見えない殺人鬼

評価:普通

点数:50点

ネタバレあり

製作年:2019年
製作国:アメリ

★あらすじ
人里離れた薬物治療センターで、見えない犯人による殺人事件が発生。緊迫状態のなか、狂気と戦慄のサバイバルが幕を開けるが……。ステファニー・ピアソン、ホープ・クアットロッキーらの共演によるサイコ・スリラー。

★一言感想
原題は「RECOVERY」
邦題のデンジャラスって何でしょう、と思っていましたら、本編を見て納得しました。ヒロインであり元軍人のロニーは、事ある毎に「デンジャラスよ」と言われるのですよね。そこから邦題が、デンジャラス、となっているようです。

さて、何故にロニーがデンジャラス呼ばわりされるのかと言いますと、彼女はアフガン従軍のPTSDにより、記憶が飛んで失神したり、血塗れの男の幻覚を見たりするのです。そして薬物に溺れ、ついには事件を起こしてしまいます。元軍人という事で国からの恩赦もあったらしく、本来なら即刻刑務所送りになるところを、物語の舞台となる薬物治療施設にて更生を目指す事になったのでした。

ですがロニーは絡んできた施設入所者に血塗れの男の幻影を重ねてしまい、入所初日にして彼女をフルボッコ。こうして“デンジャラス”ロニーが誕生するわけです。

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PTSDだかなんだか知らないがやってくれるぜ、こんな奴の面倒見切れんわ、と早速匙を投げた所長。危険の異名を持ち薬物を自在に操る高貴なる女性軍人ことデンジャラスさんは素行不良の為あえなく刑務所送り……となるのですが、そこでトラブルが。吹雪で道路が寸断されてしまい、外部との行き来が不可能になってしまいます。クローズドサークルと化した薬物治療施設で、お誂え向きに殺人事件が発生。警察に通報はしたものの、吹雪が止むまでは来られない、との事。

殺人犯の正体は不明ですが、所長をはじめ、職員も入所者も、いや、どう考えてもデンジャラスさんの仕業でしょう、だってデンジャラスだもん、という空気……果たしてデンジャラスさんの運命は如何に。

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クローズドサークルが舞台、となればミステリーを期待してしまうのがミステリ読みの悲しい性ですが、本作はミステリーではなく、サスペンスでもなく、強いて言うならサバイバルホラー、でありましょうか。推理、犯人当てといった要素はなく、犯人が勝手に正体を現して、勝手な理由で虐殺を開始します。金田一少年もびっくりでありますね。案外、謎は全て解けた、と宣言する前に正体を現してしまう犯人の方が、事前準備ができない分、名探偵にとっては厄介な相手なのかもしれません。

散々茶化してしまいましたが、最後まで見ましたら、デンジャラスさんかわいそうだな……という感想しか浮かびません。ロニーはずっと軍人である事を求められて、それを全うした、と言えましょう。高貴なる女性軍人、の文言は、冗談半分、本気半分であります。

ラストシーンで血塗れの男が元の姿に戻るのは、ロニーによる贖罪が終わった事を意味しているのでしょうね。