ぼんやり考察してみよう

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ハウンド

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◆ハウンド

評価:駄作

点数:70点

ネタバレあり

製作年:2015年
製作国:アメリ

★あらすじ
犬の群れが突如人間に襲い掛かるパニックスリラー。
20XX年のある夜、隕石群が地球に接近。その隕石が発するパルスにより、あらゆる種類の犬が突然凶暴化してしまう。アメリカではある家族が決死のサバイバルに挑んでいたが……。

★一言感想
原題は「NIGHT OF THE WILD」
突如として地球に飛来した隕石。
その隕石の影響で、わんこというわんこが揃って凶暴化、人間を襲撃する物語です。

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※緑色に怪しく光る隕石

わんこが凶暴化しまくる中、主人公が飼う小型犬『シェップ』だけは普段通りです。
どうやら老犬で、耳が遠いせいらしいです。お年寄りにはモスキート音が聞こえない、みたいなものでしょうか。枯れてしまっていて、凶暴化する元気もないのかもしれません。

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※ワフ? ワンワンワン!

本作、全編にわたって、犬が人間を襲撃するだけです。それ以外は何もありません。

微妙な人間ドラマに尺を使うより、犬の襲撃に特化した構成は潔いのですが、肝心要の犬の襲撃に迫力がないせいで、緊張感は絶無です。襲撃シーンは、警察犬が犯人の腕に噛み付いて動きを止める訓練を再現しただけだったりします。皆様も一度は、麻薬捜査犬などが、麻薬の匂いのついたバッグを持った犯人役の警察官の腕に食いつく訓練を、テレビか何かで見た事がありますでしょう。あのままです。というか、襲われている人間の袖の下から、プロテクターが見えてしまっているのは流石に冷めます。
映画なのですから、もうちょっと気を遣ってほしいものです。

他にも、走る犬と逃げる人間を交互に映しつつ、激しいカメラワークで何が何だかよくわからなくしてみたり、犬を撃退した事を表現する為に、おもむろに犬のぬいぐるみを転がしてみたりと、恐怖感より違和感が勝る、残念な演出が満載です。おまけに、夜の警察署の遠景は昼間の使い回しで、画面の明度を下げただけとなっております。
死霊の盆踊りリスペクトでしょうか。

物語性を極限まで排して、犬が人間を襲撃するシーンばかりを描写しているのに、そこが見所として機能していないため、見ていて居た堪れなくなる、退屈な作品になってしまっております。