ぼんやり考察してみよう

日々考えたこと、映画感想、評価などを記しておくブログです。WPから移転しました。

ブラック・バタフライ

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◆ブラック・バタフライ

評価:普通

点数:65点

ネタバレあり

製作年:2016年
製作国:アメリ

★あらすじ
アントニオ・バンデラス主演による予測不能のサスペンススリラー。愛する妻が4年前に去ってから、書くことができなくなっていた作家のポール。ある日、不動産屋のローラとダイナーで待ち合わせをしていた彼は、そこで男と口論になってしまい……。

★一言感想
原題は邦題と一緒であります。

本作、ネタバレで興を削いでしまう作品ですので、未見かつ、鑑賞の予定がある方はブラウザバックを推奨いたします。






…………よろしいでしょうか。
ネタバレで興を削ぐ、との事前通告からもわかりますように、本作は鑑賞者を欺く仕掛けが多く施された物語であります。

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1.作家のポールは縁あってジャックと名乗る旅人を家に泊める。
でもなんだかジャックの素行が怪しい。巷で噂の連続殺人犯なのでは?

2.連続殺人犯はジャックではなくポールだった。ジャックの運命やいかに?

3.ジャックの正体は連続殺人犯を追うFBI捜査官。
全てはポールが犯人である決定的証拠を掴むための芝居でした。

4.タイプライターの傍で目覚めるポール。
今までの出来事はスランプに陥った作家ポールが見た夢だったのです。

簡単に概要を纏めると以上のようになります。随分凝った脚本でありますよね。
ただ、伏線は綺麗に決まっているのですが、演出が地味なために真相が判明しても「そうなのか……」で終わってしまうのがとっても勿体ないのです。こうして最後にひっくり返してくるサスペンスが大好物な私でも、うーん、となってしまいました。

また、禁じ手と言われる夢オチも、世間の低評価を招いてしまったようですが、そこのところは私はあまり気になってはおりません。と言いますのも、思い返せば、夢オチまで含めての物語だったな、と得心がいくのです。FBIのおとり捜査にしても、いくらなんでもそこまで大がかりな芝居を仕掛ける必要ないのでは、とのツッコミも、夢の中だから、の一言で解消です。

クライマックス、二人の対決となる場面では「俺の物語だ」といった会話がポールとジャックの間で何度も交わされまして、はてな、と思ったのですが、最後まで鑑賞してみれば、作家ポールの夢の中を舞台とした、ポールとジャックの主導権争いだったのでしょう。彼らは、自分の望む物語の結末をポールに書かせたがっていたってわけです。

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ところで、ジャックが池で水浴びをしている場面。ポールがジャックの背中にタイトルでもあるブラック・バタフライの刺青を見付ける大切な場面なのですが、ブラック・バタフライの刺青よりもズボンからはみ出たお尻の方が気になります。