ぼんやり考察してみよう

日々考えたこと、映画感想、評価などを記しておくブログです。WPから移転しました。

ホームカミングマーダー

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◆ホームカミングマーダー

評価:駄作

点数:55点

ネタバレなし

製作年:2014年
製作国:アメリ

★あらすじ
同窓会に集まった男女に狂気の殺人鬼が襲い掛かるサイコスリラー。祖母が亡くなり、20年ぶりに帰郷したケイティ。13歳の時に両親を交通事故で亡くすなど、数々の不幸に見舞われてきた彼女は、過去を乗り越えるために同窓会を開くのだが……。

★一言感想
原題は「HOME COMING」
原題だけでは何の話かわかりにくいので、邦題では「MARDER」が付け加えられています。よい邦題でありますね。

で、肝心の内容なのですが……。
何と申しますか、全体的にやる気がありません。


評価からお察しの通り、褒める部分が見当たらない作品です。犯人に襲われる場面一つ取ってもひどいもので、ヒュン、と、犯人が凶器を振り下ろすカット。ドサッ、と、被害者が地面に倒れるカット。グサッ、と、犯人が腹部に凶器を突き立てるカット。カット毎にぶつ切りの上に、ぶつ切りにして尚、クオリティが著しく低い。テレビ放送の二時間サスペンスドラマの方が余程犯行の描写に迫力があります。

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※ホラー映画名物(?)唐突なシャワーシーン

作中何度も、フラッシュバックのように過去の回想が入りますが、そもそも複雑な構成が活きるような考え抜かれた脚本ではないため、単に視聴者が物語を把握しにくくてうんざりするだけの効果しかありません。

追い打ちをかけるようにテンポも悪く、上映開始一時間を経過しても全然盛り上がらず、家の中では「皆に順番に催眠術をかけてみよう!」なんて事を宣っております。見ているこちらが催眠術にかかって眠ってしまいそうです。

DVDのチャプターは全部で8つに分かれているのですが「最初の犠牲者」のチャプターが5です。チャプター8「事件の後」が実質エピローグですので、最初の犠牲者が出るまでに時間をかけ過ぎでは? とは誰もが思うところでありましょう。

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※そろそろ鑑賞に疲れて来た頃に、冗長な催眠術のシーンが襲いかかります

夜、家の外の場面ではオオーン、アオーンといった動物の鳴き声(?)のような効果音が入るのですが、ワンループが短く、度々使い回すため、家の外が映る度にオオーン、アオーンと同じ鳴き声が聞こえます。ゲームのSEなら仕方がないのですが……これは映画です。なんとかならなかったのでしょうか。

全編通して、演出が酷い、画面が暗い、誰がどこで何をしているかがわかりにくい、の三重苦ですが、劇中で夜を迎えてからはそれが顕著です。クライマックスとなるラスト20分、ついに犯人が行動を開始して、家の中に閉じ込められ、追い詰められていく場面ですら半分何をやっているのかわかりません。家の内部構造も、うーん、どうなっているのでしょう。面白可笑しく語るのも難しい部類のダメ映画ですので、お勧めはいたしかねます。