ぼんやり考察してみよう

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勇者は、現代社会で生きていけない

ロールプレイングゲームにはよく「勇者」という職業が登場する。
勇者は得てしてバランスタイプであり、他の職業の平均を抽出したような能力を持っている。
 
良く言えば万能選手、悪く言えば器用貧乏、それが勇者と言えるだろう。
 
ロールプレイングゲームの中では、パーティーの中心となる勇者。
しかし、もし勇者が現代社会の中で生きていくことになった場合、その前途は多難である。時には「使えない人間」の烙印を押されてしまうこともあるかもしれない。
何故なら、勇者には『明確な強み』がない。そして何をしても『平均以上の成果』を出すことができない。
職業の多様化が進んだ、超分業化社会とも言える現代で、これは致命傷になる。
企業からすれば、体力勝負なら戦士を雇うし、頭脳労働なら魔法使いを雇う。
結果として、勇者の居場所はどこにもなくなってしまう。
 
得意な分野で一番を取れば、大抵の瑕疵は不問になる……良くも悪くも、それが現代社会の特徴である。
どちらかと言えば、アンバランスで尖った人間が得をし、バランスは良いが突出した能力のない人間が損をする。
その事実を踏まえた上で、生き残るためには、一番を取ることは難しいにしても、意識して『平均より優れた何か』を身につけなければならない。