ぼんやり考察してみよう

日々考えたこと、映画感想、評価などを記しておくブログです。WPから移転しました。

YOU ARE NEXT ユー・アー・ネクスト

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◆YOU ARE NEXT ユー・アー・ネクス

評価:普通

点数:70点

ネタバレなし

製作年:2016年 製作国:オランダ

★あらすじ

リゾート地に訪れた男女が何者かに殺されていくホラー。 同じ寮の仲間6人で休暇を過ごすことになったメレルだが、皆がバカンスを楽しむ中、彼女はひとり悪夢にうなされていた。 実は、彼女たちには誰にも言えない秘密があり……。

★一言感想

原題は「SNEEK WEEK」

学生たちが水を張ったプールに氷を浮かべ、寒中我慢大会を開催しているところから物語は始まります。 寒さに耐えかね、次々と脱落者が出る中、残るは2人。 決着をつけようと氷をたっぷり追加投入したあたりで、参加していたエリックが意識を失い、ぐったりしてしまいます。 気張って無理をし過ぎたせいか、はたまた氷4倍弱点のガブリアスだったのかは定かではありませんが、エリックは瀕死状態。

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※こうかは ばつぐんだ!

学生たちは瀕死になってしまったエリックをプールから引きずり出し、傍目から見てもやる気の感じられない、それこそジジイのファックの方が気合が入ってるような心臓マッサージを施しますが、効くわけもなく、哀れエリックは亡くなってしまいます。 彼らは「やばいぞ、俺たちの責任が問われる!」と大慌て。 とりあえず、メンバー全員で、エリックの死は入浴中の事故だったということで口裏を合わせると決めるのでありました。 そして、氷風呂に火をくべて、エリックが普通の風呂に入っていたかのように偽装工作をしてから救急車を呼ぶことになります。

いや、氷風呂のせいで体が冷たくなっているだろうから、救急隊員が触れた瞬間にばれるのでは……? そんな突っ込みをよそに、場面は変わり、二年の月日が流れます。 無事卒業の日を迎え、スネークウィークで馬鹿騒ぎする学生たち。ひとまず、偽装工作は露見しなかったようです。

そもそも原題にもなっている「スネークウィーク」とは一体何なのか知らなかったので、気になって調べてみたところ「スネークウィークは、スネーク湖で開催されるヨーロッパ最大の内陸帆船イベント」だそうです。毎年多くの観光客で賑わっているとか。

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※オランダ人なら知らない人はいないのでしょう

そんなスネークウィークの真っ最中、貸し別荘で休暇を楽しむことにした彼らだったが、別荘のテーブルの上には、二年前の事件を連想するような大量の氷が置かれていた。 更に、よく考えてみればこの別荘、誰が予約を取ったのか不明。 どことなく不穏な空気が漂う中、不気味な仮面の怪人が姿を現す……仮面の怪人は何者なのか? 彼らの運命はいかに? といった筋書きであります。

どうでもいいですが、この仮面の怪人、綾辻行人有栖川有栖安楽椅子探偵に似てます。純粋推理空間を構築しそう。 本作はミステリーではなくサスペンスなので、安楽椅子探偵のように推理する必要はありませんが、犯人はわかりやすいです。中盤で『ああ、もうこの人しかいないのでは……』と思ったら、案の定、でした。おそらく半分以上の方が、途中で何となく察しがついてしまうのではないでしょうか。 わかりやすい、ということは裏を返せば、鑑賞者に対してフェアに情報を開示しているということでもあるので、そのあたりは仕方ないですね。 意外性はいまひとつですが、丁寧に作られたサスペンス小品と言えましょう。

作中、ティーンズ・スラッシャー作品の先駆けであるスクリームをリスペクトする場面もあったりして、思わずにやりとできますぞ。