ぼんやり考察してみよう

日々考えたこと、映画感想、評価などを記しておくブログです。WPから移転しました。

ハロウィン KILLS

◆ハロウィン KILLS

評価:良作

点数:65点

ネタバレあり

製作年:2021年
製作国:アメリ

★あらすじ
ジョン・カーペンター監督作『ハロウィン』の40年後を描いたショッキングホラーの続編。ローリーの仕掛けたバーニングトラップから生還した“ブギーマン”ことマイケル・マイヤーズは、過去を背負う街・ハドンフィールドでさらなる凶行を重ねていく。

★一言感想
原題は邦題と一緒であります。

尚、筆者の持っているのはDVD版で、劇場版とエクステンデッド・エディションが選択できます。そのエクステンデッド・エディションを鑑賞しての感想となりますのでご承知くださいませ。

さてさて、本作は完全にハロウィン(2018)の続編となっております。
前作を履修していないと何が何やらわかりませんので、その点は重々ご注意ください。

時系列としては、元祖ハロウィン≠ハロウィン(ロブ・ゾンビ監督ver)→ハロウィン(2018)→ハロウィンKILLS、の順番となっています。 また、元祖ハロウィンの続編として別の世界線を辿るハロウィン2~6がありまして、更にその中の3は本編とは直接関係のない番外編だったりします。

サブタイトルで最後の戦いと銘打ったハロウィン6で終わりかと思いきや、今度はハロウィンH2Oが発表となりまして、またその続編となるハロウィンレザレクションまで……。なんかこう、ロックマンXがシリーズを重ねる毎に、何回シグマ復活するんだよ! と言いたくなる、そんな感じにも似ております。

H2Oもまた分岐した別の世界線で、時系列は、元祖ハロウィン→ハロウィン2→ハロウィンH2O→ハロウィンレザレクション、となっています。そして、ハロウィン(ロブ・ゾンビ監督ver)の続編としてハロウィンⅡ(ロブ・ゾンビ監督ver)も存在します。

前作のハロウィン’(2018)の感想でも書きましたが、どうもハロウィンシリーズはどれから見たらよいのかがわかりにくいきらいがありますね。

そんなごちゃごちゃしたところを、ハロウィン人気、マイケル人気にあやかろうとパッケージを似せた便乗タイトルが複数参戦してくるので、とってもカオス。書いているだけで混乱してきます。



そんなわけで、前作ラストから続く物語ですので、本作のマイケルはおじいちゃんなわけですが、もう年齢なぞ一切感じさせない大暴れで、人知を超越しております。いつものマスクを被っているから顔も見えませんしね。

ローリーがおばあちゃんになり見た目弱々しくなっているだけに、マイケルの相変わらずぶりが際立ちます。

そんなローリーですが、前作で負った傷は深く、病院へ救急搬送されます。一方で、炎燃え盛る地下室に閉じ込められて爆発四散したはずのマイケルは何事もなく無事。
ローリーは満身創痍の中、私が死ねばマイケルも死ぬ、私しかマイケルを倒せない、などと言い始めます。いやまあ宿命の関係なのはわかりますが、それは飛躍し過ぎでは……?

犠牲者続出を受けてマイケル狩りに動き出した群衆は、病院でどう考えてもマイケルではないぽっちゃり偽マイケルを追い詰めて病院の上階から落としたりしつつ、ようやく真マイケルを発見&補足、数の暴力でボッコボコにします。ついにマイケル倒れるか? という場面でローリーのモノローグ……「マイケルは暴力では倒せない、すぐに強くなって復活する」ええ……!? 唐突に判明する設定に筆者も困惑を隠せません。まるで瀕死になったら自動で仙豆を食べるサイヤ人。文句なしのチート能力です。

ローリーの言葉通り、致命傷を負ったはずのマイケルは復活して、武器を持った群衆を返り討ちにします。思えば炎の中から生還した時点で何もかもおかしいわけですが、ここまで人間を辞めているとは。こうなると、不死身系の敵をどうにか処理する際によくあるように、バラバラにして封印するくらいしか対策が思いつきませんね。



マイケル狩り部隊の全滅を察したローリーは一人、ナイフを手に、マイケルと対峙するために街へと向かうのでした……と、ここでエンドロール。いや暴力では倒せないと言ったそばからナイフを持って行くのかとか、そもそもどうやって倒すつもりなのかとか、突っ込み所は尽きませんが、ひとまずハロウィンKILLSは終幕となります。

もうすぐ米国では続編のハロウィンENDS、が公開予定となっておりますが、舞台は現在、コロナ禍以降の世界が描かれるようで、どうなるのでしょうか。

ローリーの独白により、脅威のチート能力が明らかになったマイケル。マイケルはただの殺人鬼ではなく、邪悪の象徴であり、ローリーたちへの執着が生んだ、実体を持った亡霊のような存在なのかもしれませんね。そのあたりの設定も、もしかしたら続編で説明があるのかも。