ホワッツ・イン・ザ・シェッド
◆ホワッツ・イン・ザ・シェッド
評価:普通
点数:65点
ネタバレあり
製作年:2019年
製作国:アメリカ
★あらすじ
裏庭の小屋に潜む“何か”が巻き起こす恐怖を描くホラー。退屈な高校生活を送るスタンは、裏庭の小屋から聞こえるあやしい声に気付く。そこに潜む“何か”によって祖父や保安官が次々と八つ裂きにされるが、スタンの友人・ドマーはあることを思い付く。
★一言感想
原題は「THE SHED」
あらすじでは『小屋に潜む“何か”』などとぼかしてはおりますが、本編では開始数分も経たない内に、潜んでいるのは吸血鬼です! と思いっきりネタバレしてくれます。恐怖の正体を冒頭から白日の下に晒してしまうのはなかなかに斬新ですね。
惹句に『青春八つ裂きホラー!』と書かれていますから、吸血鬼はおまけなのかもしれません。
納屋に潜む吸血鬼によって、愛犬とじいちゃんを食われてしまったスタンくん。対症療法として、とりあえず納屋をDIYで封印したはいいものの、彼は保護観察中の身。警察に通報するのも気が進まないらしく、途方に暮れてしまいます。
そしてその夜から、スタンくんはやたら悪夢を見ます。まあ納屋の吸血鬼が気になって精神的ストレスもMAXでしょうから、そりゃ悪夢を見るのも頷けますが、作品として、視聴者からも一瞬で悪夢だとわかる悪夢の描写が何度も必要だったか? と言えば首を傾げざるを得ません。悪夢の中で披露されるヒロインのボンテージコスプレもそんなに嬉しくないです
自称親友のドマーくんに吸血鬼の存在を明かすと、納屋におびき寄せて、いじめっ子どもを始末しようぜ! と言い出します。それはいかんと必死に止めるスタンくんですが、ドマーくんは聞く耳を持ってくれずに、怒りに任せて暴走してしまいます。
吸血鬼は納屋に幽閉中で、かつ弱点はわかっているのですから、やろうと思えば昼間にソーラーアタックで塵芥にしてしまえたはずです。スタンくんも吸血鬼を悪用するつもりがないなら早い内に始末してしまえばよかったのに、中途半端に放置したのが仇になりました。自分が殺人容疑をかけられるのを恐れて、動かぬ証拠として生かしておいたのでしょうか。
ヒロインは物語も後半になって、突然ふらっと参戦してくるのですが、理解力も戦闘力も高めです。むしろスタンくんが足を引っ張ってるまであります。 スタンくんもヒロインも決め台詞を言ってから攻撃したがる悪癖があるため、好機を逃してしまうのはご愛敬。
ラストは、落ち着くべきところに落ち着いたかな、といった印象。一風変わった、ヴァンパイア・ホラーでありました。