ぼんやり考察してみよう

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ECHO エコー

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◆ECHO エコー

評価:微妙

点数:70点

ネタバレなし

製作年:2006年 製作国:フランス

★あらすじ
斬新なアイデアで注目を浴びたフランス発のシチュエーションスリラー。 何者かに母を殺されたシャルロットは、殺害現場の実家を訪れる。悲しみに臥せていた彼女は、突然不可思議な音を耳にする。それは紛れもなく“母が生きていた時の音”だった。

★一言感想
原題は「FISSURES」壁の亀裂を指しているのでしょう。

シャルロットとその母は、車で森の中の一本道を走っておりました。
大雨で視界が悪い中、余所見までしていたもので、シャルロット(母)は、何かを轢いてしまいます。シャルロット(母)はやたら動揺した挙句、滅茶苦茶な運転をして、車を木にぶつけます。
車から降りた二人は、恐る恐る何を轢いたか見に行きます。
すると道端には、血を流した鹿が横たわっていたのでした……。

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※鹿ならしかたない
時は流れて。

シャルロットは仕事中、母の死を報せる連絡を受けます。
地元警察によれば、母は他殺……自宅にて、何者かに殺害されたようです。

シャルロットは列車で、一路実家のある田舎に向かいます。
シャルロットの母は、村で占い師だか預言者だかの仕事をして生計を立てていたようで、口さがない人々からは魔女などと呼ばれたりしています。
犯人はその顧客かもしれない、と警察は言っておりましたが、村の住人たちは一癖も二癖もある個性派揃いで、誰が犯人でもおかしくないってくらい、全員怪しいです。

実家で物思いに耽るシャルロットでしたが、古びて軋む家の壁の亀裂を通して、過去の生活音が聞こえてくることに気付きます。
彼女は仰天しながらも、音響スタッフの経験を活かして、壁の亀裂にロープを張り巡らせ、どの位置でどの過去が『聞こえてくる』のか、その座標を特定していきます。
果たしてシャルロットは、音を頼りに、殺人事件の真相にたどり着くことができるのでしょうか……という物語です。

本作『ECHO エコー』なのですが、ジャンルはよくわかりません。オカルトとファンタジーとサスペンスとミステリを全部一緒に鍋に放り込んで、フランス映画のスパイスを入れた……と言ったところでしょうか。

デッド・クリフの感想で“フランス映画らしからぬ”と書きましたが、本作は良くも悪くも「ああ、フランス映画だ」と言う味わいです。

モノトーンを中心とした色合いの薄暗い映像、終始盛り上がりのないまま淡々と進んでいく物語、各人の解釈で補完する必要のある結末……この、一種独特の雰囲気は好みの分かれるところでありましょう。
決して一般受けはしないでしょうが、本作の生み出す世界観に浸れるならば、心の琴線に触れるかもしれない、そんな作品です。