ザ・ミッドナイトマン
◆ザ・ミッドナイトマン
評価:微妙
点数:70点
ネタバレあり
製作年:2017年
製作国:アメリカ
★あらすじ
アレックスは、ひとりで体の不自由な祖母の世話をしながら暮らしていた。そんな中、アレックスは友人のマイルズと屋根裏部屋で厳重に梱包された古い箱を見つける。箱を開けてみると「ミッドナイト・ゲーム」の道具一式が入っていた。そのゲームは「ミッドナイトマン」を呼び出し、制限時間まで逃げ続けることができるか、というものだった。アレックスたちは、ふざけ半分で「ミッドナイト・ゲーム」を始めてみるが……。
★一言感想
原題は邦題と一緒であります。
あらすじにもあります「ミッドナイト・ゲーム」を簡単に説明するならば、深夜0時から3時33分まで謎の怪人『ミッドナイトマン』から逃げ切るゲームです。ゲームのフィールドはミッドナイトマンを呼び出した屋敷の内部。一歩でも外に出ると問答無用のデスペナルティが待っています。逃げ切ると言っても、ミッドナイトマンは神出鬼没で、屋敷内の何処にいるかわからないため、現実の鬼ごっことは違い、追いかけっこはありません。敗北条件は、持っている蝋燭の火が消えて10秒経過する事です。ミッドナイトマンが近付くと、勝手に蝋燭の火が消えてしまうので、すぐに火を点け直す必要があります。また、蝋燭の火が消えてしまっても、塩で描いた円の中に居れば一時身を守る事ができます。よくわかりませんが、そういうルールなのです。
蝋燭の火が消え、塩で描いた円の中にいない場合は、ミッドナイトマンの餌食。心の内に潜む恐怖を体感して死亡する事になります。
尚、この「ミッドナイト・ゲーム」逃げ切れなければ死の制裁が待っているのですが、時間まで逃げ切ったところで何のご褒美もありません。誰かに無理矢理参加させられるならともかくとして、自主参加する意味がまったくないのです。何が悲しくて自分からデメリットしかないデスゲームに飛び込まなければならないのでしょう。製作陣も、ぶっちゃけこのゲーム誰が望んで参加するんだ……と思ったのか、ルールを説明する紙片を最後まで読まないでなんとなくゲームを始めてしまうという力技で主人公をゲームに参加させています。
こう、なんと言いますか、初見のレシピ本を捲りながらその場で料理する感覚ですね。「玉ねぎをみじん切りにして……次は、えーっと、セージ? え、家にセージないんだけど……いいやもうパセリで……」みたいな。
ゲームの途中、幼馴染ケリーの蝋燭が使い物にならなくなってしまったため、アレックスとマイルズが蝋燭を探しに行くのですが「早く戻ってきてね! 絶対だよ!」と懇願する彼女に「急ぐ」と言って部屋を出たのに、何故か蝋燭を探す前にいちゃつき始める二人……ようやく蝋燭を探したかと思えば「蝋燭がない」の一言で済ませて、後は屋敷に戻って来た往診のドクターとのんびり雑談します。二人とも、悪気がなさそうなのがまた怖いです。ケリー……かわいそうに。
本作のようにゲームのルールが決められている作品では、ルールの制約の中でどう危機を切り抜けられるか、が肝になるのですが、ゲームマスターであるミッドナイトマンがルールをあまり守る気がないので、半ばなんでもありになってしまっております。
何故ケリーは兎に対して恐怖を覚えていたのか、何故過去のゲームの生き残りであるおばあちゃんがミッドナイトマンの軍門に下っているのか、など、説明不足故によくわからない箇所もちらほらありまして、そこも残念でした。
正直、ミッドナイトマンが幻覚を見せたりして襲ってくる場面より、おばあちゃんが絶叫する場面が一番怖かったのはここだけの秘密であります。ホーリーシット、じゃありませんてば、あーびっくりした。