ぼんやり考察してみよう

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バイバイマン

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◆バイバイマン

評価:普通

点数:75点

ネタバレあり

製作年:2017年 製作国:アメリカ

★あらすじ
『スペル』と『オキュラス/怨霊鏡』の製作陣が手掛けるショッキングホラー。
アメリカのウィスコンシン州。古い屋敷に引っ越して来た3人の大学生は、その名前を知った者、口にした者に死をもたらす「バイバイマン」を呼び起こしてしまい……。

★一言感想
まーた変な邦題を……と思ったら、原題も一緒でありました。なんてこったい。

本作は、謎の怪人「バイバイマン」を召喚してしまった大学生たちに襲いかかる恐怖を描くホラームービーです。

召喚してしまった、と言っても、彼の召喚条件はとってもゆるく、なんと『名前を知る』だけです。
名前を知ったが最後、彼に取り憑かれてしまい、幻覚、幻聴をはじめとした、ありとあらゆる症状に襲われて、最終的には死亡します。

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※それは流石にどうかと……

名前を知ってはいけないため、誰かにその名前を言ってしまったら、名前と一緒に呪いが伝播します。

ですので、絶対に名前を言ってはいけません。

「押すなよ! 絶対に押すなよ!」がネタフリでしかないように、言ってはいけないとなったら、つい言いたくなってしまうのが人間の性。
ほら、二十歳までに忘れないと不幸になる言葉、とか聞いた事ありますでしょう? 覚えておかなくちゃ、と思った事は忘れてしまい、忘れてしまわなくちゃ、と思った事はいつまでも覚えていたりしますよね。

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※だから言えないんですってば

バイキンマンの捨て台詞みたいな名前の彼ですが、そんじょそこらのホラー映画の怪人とは一味違います。
決して自らは、取り憑かれた人物を手にかけないのです。
念力で心臓を止めたり、怪力で首を引き千切ったり、一切しません。
ひたすら幻覚、幻聴を駆使して精神攻撃を仕掛け、対象を破滅に導くので、傍目には、頭のおかしくなった人物が乱心して、殺人を犯したり、自殺したりしたようにしか見えないのです。
こうなるともう薬物中毒者なのか、統合失調症なのか、はたまた彼の呪いなのか、当人以外には、いやもしかしたら当人にすら、判別がつかなくなってしまいます。
このあたり『呪いなんかで人がバタバタ死んだら、世の中大騒ぎになるだろう』という、呪いを扱ったホラー映画全般に対する突っ込みへのアンサーにもなっていて、なかなか上手いところであります。

彼の名前を知る者は遠からず死ぬが、彼の名前を知る者が全員死ねば呪いも消える。なんだか、ウィルスと宿主の関係にも似ていて面白いです。彼が回りくどい精神攻撃にこだわる理由も、呪いを絶やさないためなのかもしれません。
いえ、そんなの関係なく、単なる趣味かもしれませんが。

彼の名前を記したナイトテーブルが公衆の面前に打ち捨てられ、警察が唯一の生存者に彼の名前を聞き出そうとするところで、物語は幕を閉じます。
ほんのり続編を匂わせる結末でしたが、続編、あるのでしょうかね。