ぼんやり考察してみよう

日々考えたこと、映画感想、評価などを記しておくブログです。WPから移転しました。

絶海9000m

f:id:unknownhuman:20181125221012j:plain:w211:h300

◆絶海9000m

評価:普通

点数:45点

ネタバレなし

製作年:2017年
製作国:ポルトガル

★あらすじ
些細なミスで絶海に取り残された7人が極限の心理状態に陥るサバイバル・パニックスリラー。
豪華クルーザーで週末のクルーズを楽しんでいた7人の男女。彼らは沖で泳ごうと海に飛び込むが、梯子を出しておらず、甲板に上がることができなくなる。

★一言感想
原題は「PERDIDOS」
原題にあれ? となる向きも多いかと思いますが、本作は珍しい、ポルトガル映画であります。

あらすじに書いてある通り、船から飛び降りる時に梯子を出し忘れるという世紀の凡ミスにより、七人の男女が洋上から船に上がる事ができなくなり困り果てるという物語です。いやいや、笑いごとではありません、注意一秒怪我一生、日常の中にこそ危険は潜むもの。実際に、家庭内の事故の方が交通事故より多いとの統計もあります。本作を他山の石として、命に関わる凡ミスをしないよう気をつけたいものですね。

f:id:unknownhuman:20181126111528p:plain
※そんな事言われましても

この七人、まず最初に登場する夫婦からして仲の悪い仮面夫婦で、その夫と、妻の元彼氏も当然のように険悪。開始から30分くらいは、ただただ彼らの夫婦喧嘩だったり、小競り合いだったり、ぎくしゃくとした空気を見せつけられます。何故この面子で遊びに来たのでしょうか……その後の展開の布石なのはわかりますが、気まずいばかりで少々退屈です。赤ちゃんだけが癒しであります。

f:id:unknownhuman:20181126144010p:plain
※( ˘ω˘)スヤァ……

彼らが洋上に放り出されてからは、物語が動き出して面白くなります。カメラワークが悪いのも相俟って、絵的には最初から最後まで地味で、何が起こっているのかわからない場面もありますが、何せ舞台が海の真ん中なので仕方ありますまい。船室のシーツや船体後部に「solitude」の文字があるのは、なかなか皮肉が効いておりますね。

ところで、パッケージには「人喰いサメの恐怖」と書かれていますが、本編中に、サメは一切姿を見せません。『今、足に何か触れた! サメかもしれないわ!』という台詞があるのみです。パッケージ詐欺、というわけではないのですが……まあ、その、ね。サメを目当てに見ると、さめざめと泣く羽目になりますのでご注意ください。

本作で最も不憫なのは、部外者として巻き込まれた上に素っ裸のまま海に消えたマルガリータでしょう。かわいそうなマルガリータのために、せめて、私からいいねボタンをぽちぽちいたしましょう。