ぼんやり考察してみよう

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ゾンビ津波

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◆ゾンビ津波

評価:良作

点数:55点

ネタバレあり

製作年:2019年
製作国:アメリ

★あらすじ
美しい孤島の静かな海で大地震が発生。仲間のレイたちを乗せて海に出ていた船乗りのハンターは、揺れが収まった直後、釣り竿に大きな獲物がかかったことに気づく。レイが慌ててリールを巻くと、それは巨大な魚……ではなく、なんと1体のゾンビだった! 負傷者を出しながらも、何とかビーチへ逃げ帰った彼らだったが、海にはさらに無数の不気味な影が見える。さらにその時、不運にも地震の影響で大津波が発生。海中を漂う大量のゾンビを乗せた大波が、平和な町を襲おうとしていた……。

★一言感想
原題は「ZOMBIE TIDAL WAVE」
まーた無茶苦茶な邦題を、と思いましたら、直訳でした。

しかも邦題であるゾンビ津波、劇中にもしっかり、台詞として出て来るのでした。
しかし、ネイティブが「ゾンビツナーミ!」と言っているのは流石に笑ってしまいます。いえまあゾンビもツナミも国際語ですので当然と言えば当然なのですが、それでも、ですね。

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本作を一言でまとめますなら、お手本のようなB級映画、です。

無茶を通し突っ込み所を残しながらハイテンポで進んでいく物語。
決してクオリティが高いわけではないが極端に低いわけでもない映像。
そして、ゾンビ津波という、インパクト抜群にして荒唐無稽な設定。

B級映画が満たすべき条件を、全て備えていると言っても過言ではありますまい。

こうした企画段階で弾けた設定の作品は、質の低さを隠す為か、はたまた照れ隠しなのか、悪ふざけやら身内ネタに走ってしまうのが定番ですが、本作は意外にも真摯に作られておりまして好感が持てます。

ユーモアとシリアスのバランス配分も絶妙で、本筋は真面目に進めながらも、車上での弾き語りですとか、ミートマシンですとか、随所にB級的見所を差し挟んできます。
登場するバンドが「フルチ」なのも、ゾンビ映画がお好きな方はにやりとする事でしょう。

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何より最大の評価点は、話しが早くて、わかりやすい事、これに尽きます。
残念な作品は、例えば警察官がゾンビの存在を信じる信じないで押し問答をして無駄に尺を引き伸ばしたりするのですが、本作では警察官がゾンビの存在を疑ったら次の瞬間にはゾンビが海から湧いてきて、逃げるぞ! となります。ああ、素晴らしい。
海から来たゾンビだから青色に染まった水属性ゾンビで、雷属性が弱点というのも理屈はともかくとして、直感的にわかりやすくてよいですね。

いくつもの突っ込み所を勢いで捻じ伏せて突っ走るB級作品としては、各場面に見せ場があり、だらだらしない事が最重要課題なのです。